建設コンサルタント・測量業登録 港湾・海岸・河川等水域環境の調査・測量・設計 株式会社ハンシン(阪神臨海測量株式会社)

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絶滅危惧種の現状

これまでに当社が行った調査の中で確認された絶滅の危険性が増大している種「絶滅危惧U類(VU)」の生態を紹介します。

タガメの特性

タガメ

タガメは、前脚を使ってカエルや小魚などを捕獲し、短く鋭い口から消化液を流し込んで、液状化した肉を吸い取るという肉食行動が特徴。また、産卵時には、メスが水上に突き出した植物に卵塊を産み付け、オスが水中と水上の卵塊を往復することで、体の表面の水分で卵塊を乾燥から保護するという習性があります。


農薬の使用やため池の開発により絶滅の危機に

タガメは、昔から子ども用の図鑑などで里山の水生昆虫の代表として、よく取り扱われてきました。実際、1950年代までは都市近郊を含め、国内の大部分の地域で頻繁に目にすることができました。しかし、1980年頃までには、大部分の水田やため池からその姿を消し、各地から地域的な絶滅が伝えられようになったのです。

化学農薬の登場により絶滅の危機に

タガメは、農薬などの汚染にとても敏感な昆虫です。非常に微量の濃度でも体内に入ると、成長を阻害されてしまうか、死に至ってしまいます。このため、農家が大量に農薬を使い始めた頃から、 その数を急激に減らしました。それでも、丘陵地のため池では水はけが良いせいか、本種の生息の拠り所となっていました。
しかし、近年のゴルフ場などの乱開発がこれらの生息地までも次々と破壊し、さらに、芝生の除草剤などによる汚染で、その生息は危機的な状況にあります。こうした被害を拡大させないためにも、水域環境および生物の再生化、共生の仕組みづくりが急がれています。

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メダカの特性

メダカ

メダカは体長約4cm、体色は淡褐色、雑食性で動物・植物プランクトンや小さな落下昆虫をエサにします。4〜8月に産卵期を迎え、メスは卵をぶら下げながら泳いで、水草に付着させます。卵からふ化した稚魚は、成長が早く約半年で成熟するのもメダカの特徴です。なお、ペットショップなどで売られているオレンジ色の「ヒメダカ」は品種改良品です。


メダカの生息地を減少させる都市開発や圃場整備

メダカの生息していた水域は、池や水田、小川など身近な環境であったため、戦後以降の都市開発や河川改修の影響を大きく受けました。自然のままの池沼や河川など、メダカに適した多くの生息地が失われてしまったのです。また、水田などの圃場整備によりコンクリートの水路が増え、昔ながらの素堀りの用水路が急激に減少したことも大きな要因となっています。

水域環境の再自然化がメダカを救う

メダカは、整備されることで水流が速くなってしまった環境では生息できません。また、コンクリート化された地面には、産卵のための水草が生えないため、繁殖することも不可能です。私たちの町に“メダカの学校”を取り戻し、絶滅の危機から救うためには、身近な水田や水路の環境改善、再自然化が重要なカギを握っています。

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アカザの特性

アカザの特性

アカザは体長7〜10cm、5〜6月頃に石の下で産卵を行います。寒天質におおわれた100〜120個の卵塊を瀬の石の下に産み、オスが守ります。夜行性で、昼は石の下などに潜んでいますが、夜間に外に出て水生昆虫などを食べます。背ビレや胸ビレの棘には毒があるため、過って刺されると激しく痛みます。


住み家となる川床の石の減少とともに

アカザは主に、河川の中上流域の30cm以浅の平瀬でよく見られます。そのため、隠れ場所や産卵場所として適度な大きさの石を必要とします。しかし、このような環境は河川の流路改修や、河床改修、砂礫の採取などで容易に失われ、生息場所の減少は深刻な問題になっています。一見、川底に沈んだただの石でも、その存在1つ失われただけで、生態系に大きな影響を与えてしまうのです。


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